「スパイダーマンは権利関係が複雑らしい」や「デッドプールは権利の関係でMCUには関わってこなかったけど『デッドプール&ウルヴァリン』から急にMCUに入ってきた」というマーベル映画の複雑な権利関係について皆さんもフワッと知っていると思います。
マーベル・コミックは、そのキャラクターの複雑で興味深い権利の歴史を持っています。
この記事では、何故権利が複雑になってしまったのかの背景、現在の状況、そして未来の可能性について探ります。
まずはその背景から一緒に見ていきましょう!
権利の始まり
マーベルのキャラクターの権利は1939年に遡りますが、現在我々が知るような複雑な状況になったのは、主に1990年代以降のマーベルの財務的困難からです。
この時期、マーベルは資金を調達するために多くのキャラクターライセンスを他社に売却しました。
その結果、下記のようにそれぞれの会社が映画化権を持つことになりました。
- ソニー・ピクチャーズとスパイダーマン: 1999年、ソニーはマーベルからスパイダーマンの映画化権を取得しました。これにより、トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドが演じたスパイダーマン映画が生まれました。
- 20th Century FoxとX-Menやファンタスティック・フォー: FoxはX-Menやファンタスティック・フォーなどの権利を保持し、独自の映画シリーズを展開しました。
頻繁に「ソニーはスパイダーマンの権利をマーベルに返せ!」という意見を目にしますが、ソニーはマーベルからスパイダーマンの権利を取り上げたわけでなく、購入しているのでその意見は筋違いですね。(気持ちはわからなくはないが)
寧ろ、苦しい時期にソニーがスパイダーマンの映画権を買ったからこそ今のマーベルがあるとも言えます。
マーベル・スタジオ設立
2000年代に入り、マーベルは自社で映画を製作することを決め、マーベル・スタジオを設立しました。
ここからアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーなどのキャラクターが映画化され、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が誕生しました。
MCUについての詳細は下記の記事をご覧ください。

その後、2009年のウォルト・ディズニー・カンパニーにマーベルは買収されました。
権利の統合と協力
- ソニーとの協力: 2015年、ソニーとマーベルは協力関係を再構築し、スパイダーマンをMCUに参加させることで合意。これにより、『シビル・ウォー』以降のMCU映画にスパイダーマンが登場しました。
スパイダーマンが出る映画にはSONYのロゴも流れますよね。 - ディズニーとFoxの合併: 2019年、ディズニーが20th Century Foxを買収したことで、X-Menやファンタスティック・フォーなどのキャラクターの権利がマーベルに戻りました。これにより、これらのキャラクターがMCUに統合される道が開かれました。
2019年にX-MENのキャラクターの権利がマーベルに戻りましたが、原作知識のある人はこれを読んでこう思うかもしれません。
「スカーレット・ウィッチとクイックシルバーは2019年以前にMCUに出ているんだけど?」と。
その辺の解説はこちらの記事をご覧ください。


また、スパイダーマンの権利はまだソニーにあるというのを読んでこう思う人がいるかもしれません。
「ホワットイフのスパイダーマンのスーツが少し違うのは何か関係あるの?」と
その辺の解説はこちらの記事をご覧ください。

現在の状況と未来
現在の状況と未来の可能性を探ります。
MCUの拡大
マーベルは現在、MCUをさらに拡大しています。
『ワンダヴィジョン』から始まったマルチバース・サーガでは、旧シリーズのキャラクターと共に、過去の映画化権利が戻ってきたキャラクターたちの新たな物語が描かれています。
冒頭でも少し触れましたが、2024年に公開された『デッドプール&ウルヴァリン』ではウルヴァリンを始めとするミュータント等まさに20th Century Foxが映画化権利を持っていたキャラクターたちがMCUで活躍しています。
2025年にはMCU版の『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ』がその先にはドクタードゥームがメインヴィランを務める『アベンジャーズ:ドゥームズ・デイ』の公開も決まっています。
元20th Century Foxが映画化権利を持っていたファンタスティック・フォー関連のキャラクターにも目が離せませんね!
スパイダーマンの権利:
ソニーとの協定は続いており、スパイダーマンはMCUとソニーの独自映画シリーズの両方で活躍する可能性があります。
SSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース)は2024年公開の『クレイブン・ザ・ハンター』を持って一旦終了となる模様です。
MCUの「スパイダーマン4(仮)」やアニメ作品「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題)」にも注目です!
テーマパークと他のメディア
キャラクターの権利は映画だけでなく、テーマパーク(例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやディズニーパーク)やゲーム、テレビシリーズにも及んでいます。
現在では、マーベルキャラクターの使用に制約が少なくなり、より統合的なエンターテインメント体験を提供できるようになりました。
テーマパークの権利については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
マーベルのキャラクター権利は、企業の合併、買収、そして創造的なコラボレーションの歴史を通じて形成されてきました。
権利関係の背景を知ると『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『デッドプール&ウルヴァリン』の見方も変わってきますよね。
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